「これで25体めっと!」
「ふぅ、お疲れ様。これだけあればしばらくはもつでしょ」
今、私とアレックスは食糧調達のために
あらたに発見された惑星『ウォパル』にいる。
さっき収穫していたのは全長1mほどの巨大な魚のような原星生物『アクルプス』だ。
「でも、近々新しく入隊する人がいるんでしょ?」
「ああ、そういえばそんなこと言ってたわね」
そう、近いうちに部隊増強のために新しく隊員が派遣されるのだ。
実際のところは厄介払いのためらしいが...。
「ねぇ、スレイ。話変わるけどさ、前に言っていた
スレイのお兄さんってどんな人?」
以前アレックスには私の兄について少し話したことがある。
「どんな人ってこの前話したとおりよ」
「あ、そっか」
「でもそうね。たまには思い出話も言いかもしれないわね」
と私はそう言いエル兄さんと過ごした日々を思い出しながら語り始めた。


 それは10年前DF襲撃事件があった少し前のことだ
「エル兄さーん!」
私はアークス基地から帰ってくる荷物袋を持った兄に抱きついた。
突然のことにバランスを崩しかけふらつく兄
「お、スレイ迎えにきてくれたのか」
「買い物ついでだよ」
「ははぁ...俺に荷物持ちをさせようってやつだな?」
「そういうこと♪」
「まったく、疲れてへとへとな俺の気遣いはないのか?」
苦笑いしながら兄はそう言った。
「働かざる者食うべからずです。
わかったらさっさと手伝う!」
「働いてるんだけどなぁー」
「文句言わない!」
私は兄の手をとり無理やり引っ張りながら買い物に向かった

「へぇ~スレイってその時ってずいぶん子供ぽっかったんだね~
ちょっと今の性格からは想像しずらいな~」
そう、アレックスは笑いながら言った。
「私だって昔からこんな性格じゃないわよ」
「それよりも話の続き~」
「はいはい」
アレックスに急かされ私は話の続きを始めた.....

 夕飯の買い物が買い終わり、
父に頼まれたものを買い向かっていた最中だった。
買い物リストを見ながら私は疑問を口にした。
「父さんキャストの部品とか買ってどうするつもりなのかしら」
「親父のことだ、なんかとんでもないの造るんじゃないか」
兄さんは何か知ってるようだけど
どうせ質問してもはぐらかされるだけなので
問い詰めはしなかった。
「うん?なんか騒がしいな」
そう言った兄さんの視線の先にはなにやら人だかりができていた
近づくにつれて人だかりの先から怒声が聞こえてきた。
「だから俺はちゃんと金は払っただろうが!ああ!?」
兄さんと私は人ごみを掻き分けながら怒声のする場所に向かった。
そこには柄の悪そうな5人の男性の集団がいて
その男性の1人に私の行き付け料理店の店長のおじさんともめていた。
「ですから額が足りないと」 
「なあ、じいさん。俺たちはアークスなんだぜ?
市民の命を守るためによ命かけてやってんだ。
こんぐらいまけてくれよ」
リーダー格らしきデューマン男性が下劣な笑みをうかばせながら言った。
だが、店長のおじさんは引かなかった。
「アークスだろうがなんだろうが金は払ってもらう
こっちにも生活がかかってるんだ!」
「聞き分けのねぇじいさんだ..なっ!」
男はいきなりおじさんを蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされたおじさんはカウンターに激突した。
「おおっとわりぃ足が滑っちまった。ハハハハハハ!」
なんてゲスな奴らだと怒りにふるえる
私の肩を誰かが手を置いた。
振り返るとそこには笑顔を浮かべる兄さんがいた。
「悪いなスレイ。ちょっと修正してくるわ」
そう言うと荷物を私に持たせ男たちの前に立った。
「おい、貴様ら。ちょっとこれはやり過ぎじゃないか?」
「あん?なんだてめえ」
リーダー格の男が兄さんを睨み付けながら言った
「ここの店の常連客さ」
嘲笑うよう兄さんは答えた。
「調子のってんじゃねぇぞ!」
別の男がつかみかかろうとしたが
兄さんは体をそらして避け逆に足を引っかけて転ばしてしまった。
「おっとすまない。足がすべってしまった」
当然男たちは怒り狂う。
「やっちまえ!」
「くたばりな!」
「アークスに逆らったことを後悔させてやる!」
怒声をあげながら迫る男たちに余裕の表情を見せる兄さん。
「逆に貴様らが後悔すると思うぞ」
「ほざけぇ!....ぐあっ!?」
1番先頭にいた男に兄さんは間合いを詰めるとみぞおちに肘うちを食らわせていた。
男はそのまま倒れた。
「まず、1人目」
「野郎っ!」
突き出された拳をしゃがんで避けそのままアッパーで2人目をダウンさせた。
「2人目っと。お前たち本当にアークスか?
無駄な動きが多すぎるぞ」
残りの男3人は瞬く間に倒された2人をみて先ほどのように安易に攻めてこなかった。
「こ、こいつなにもんだ!?」
「だから店の常連客だって言っただろ?
店の代金と店の備品の弁償を払って
二度とアークスの名を語らなかったら見逃してもいいぜ?」
と、兄さんは相手を煽るように言う...兄さんの悪い癖だ。
ヒューマンの男は隠し持っていたナイフを取り出した
「どうしたナイフなんか取り出して。俺が怖いのか?」
「うるせぇ!お前なんか怖くねぇぞ!!」
あきらかに動揺を隠しきれない様子だ。
「だったらかかってこいよ。こっちは丸腰だ」
「挑発に乗るな!」
目の前でクルッとまわってみせ、さらに煽る兄さん。
飛びかかりそうになっているヒューマンの男を
止めようとするリーダー
「ふざけやがって...野郎!ぶっ殺してやる!!」
「馬鹿が!」
挑発に乗ってしまったヒューマンの男は
兄さんに向かってナイフを構えながら突進した。
だがそのナイフは兄さんに刺さることはなく
代わりに兄さんが持っていた荷物袋に刺さった。
「どこを狙っている?」
そのまま相手の手首を掴みナイフを奪い取ると
男を組伏せ首に奪ったナイフを軽く突き立てた。
2014-10-28-193441.jpg
「おっと、動かない方がいいぞ
気道 神経 頸動脈 全て避けて刺した。
ただ、少しでも手元が狂えば....あとはわかるな?」
「ひっ」
男はすっかり怯えて動かなくなってしまった。
「さて、さっき言った条件をのんでくれたらこいつを解放しよう」
デューマンの男は観念したらしく
「...わかった、あんたの勝ちだ、条件をのもう。だからそいつを放してやってくれ」
と言った。
それを聞き兄さんはヒューマンの男に刺していたナイフを抜いた。
「よし、金を置いてさっさとどっかに行け」


 「それ、どっちが悪役かわからない台詞だねぇ」
話の続きを聞きアレックスは苦笑いしながら言った。
「でしょ?あのときも私はやり過ぎだって怒ったんだけどね。
兄さんは『俺がいかなかったらあそこに立っている赤いマフラーのヒューマンの人が
もっとひどいことしていた』とか言ってたわ」
私の言葉にアレックスが何か気づいたような反応をみせた。
「ねぇ、『赤いマフラーの人』ってもしかして....」
「フフフ、もしかしたらかもね」
そんな風に話していた私たちだが...
「あ、まずい...早くアクルプス持って帰らないと
コーラルさんにしかられる!!」
「無駄話が過ぎたわね。急ぐわよ!」
こうして私とアレックスは忘れていた任務の続きに急いで取りかかった。
「でもやっぱり、人と思い出を話し合うのも悪くないわね」
1人そんなことを言いながら作業を続けた。


どうも、みなさん。おはこんばんにちは。
ヴィスです。
今回出てきたエル兄さん実は出演三回目だったり....
エル兄さんは対人戦なら滅茶苦茶強いのです。
先日、挿絵描くのもいいけど、文章力がおろそかになってる、と
手厳しい意見をいただきました。
確かにその通りかもなーと自分でも思ったり思わなかったり。
う~ん挿絵担当が欲しいわ全く....
絵を描くのも楽しいんですけどね(笑)
それと戦艦好きには朗報かもという情報
104部隊の旗艦ウィスティリア号のイラストが遂に完成!
そのうちあげます。
次回はちょっと延期しますかなー
気長にお待ちください。
では今回はこの辺で
ほんじゃ、待たな!
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 みなさん、こんにちは。スレイです。
今日はクロさんがお菓子作り講座を開くと聞き、
アレックスに誘われて参加している。
参加したのは 私、アレックス、サトリン、そして最近入隊したアトミンだ。
「よし、揃ったな。これから講座をはじめる。
材料はこちらで用意した。しっかり話は聞くように。いいわね?」
『は-い』
ちなみに材料は以下の通りである
《ロールケーキの生地の材料》
①ナヴラッピーの卵x4
②グラニュー糖α 25g
③グラニュー糖β 50g
④薄力粉      60g
⑤マルモスバター 15g
⑥マルモス牛乳  30g 
⑦ナベリウスミツバチのハチミツ10g

「まず、ナヴラッピーの卵を卵白と卵黄に別ける。
それとこのときに、バター、牛乳、ハチミツを
ボウルにまとめていれて湯銭にかけておくと後の作業が楽になるわ」
そういうとクロさんは大きいボウルを一つ小さいボウルを二つ取り出すと
大きい方に卵白、小さいボウルの一つに卵黄を慣れた手つきで手早く別けた。
そして残りのボウルにさっき言った三つの材料(以後B)を入れお湯の入った鍋の中に入れた。
「次にさっき別けた卵白でしっかりとしたメレンゲを立てる」
ハンドミキサーを取出し卵白をグラニュー糖βを少しずつ加えながら泡立てメレンゲを作った。
「だいたいツヤがではじめてミキサーを放したときに
ツンってかんじの角ができればOKよ」
突然クロさんはメレンゲの入ったボウルを逆さにした・・・が中身は落ちてこなかった。
「ちゃんと泡立てていればこうしても落ちてこないわ。
ただ、これ以上泡立てたらNGね」
次にクロさんは卵黄にグラニュー糖αを加え
これもハンドミキサーで泡立てた。
「白っぽくなるぐらいが目安よ。
あと、卵黄は砂糖とくっついて
ダマになりやすい性質があるから注意すること」
ハンドミキサーの電源を切りクロさんは泡だて器に持ち変えると、
さっき泡立てたメレンゲと卵黄(以後A)を再び泡立てだした。
これを疑問に思ったのかアレックスが質問する。
「クロせんせーい、なんでもう一回泡立ててるのですか?」
「機械だとどうしてもムラができてしまうのよ。
それを自分の手で調整するためよ」
「なるほど~」
サトリンも「ほぅほぅ」とうなずいていた。
「さて、このくらいね。次はAにメレンゲの三分の一位を入れる、
これをゴムべラで馴染ませて、予めふるっておいた薄力粉を
加えて、手ごたえが出るまでよく混ぜる。
そして、よくまざったら残りのメレンゲを加えて
メレンゲの筋がなくなるまで再びよくまぜるのよ」
「クロ先生質問いいですか?」
挙げ手をして質問したのはアトミンだ。
「なにかな?」
「どうして薄力粉はふるっておくんですか?
そのまま入れてもいいとおもうんですが」
「いい質問だわ。ふるう理由は主に空気を含ませるためよ。
あと粉がダマになっていることもあるから
それの処理の意味もあるわね」
と説明しながらも手を止めず着々と作業を進めるクロさん。
器用な人だなと思う私だった。
「これで生地はだいたい完成よ。後は最初に湯銭でとかしたBに
この生地を少し加えてしっかりまぜてから
生地に廻し入れて艶がでるまでしっかりと混ぜ合わせる」
「わーほんとだー艶がでてきたー」
「混ぜ終えたら天板に入れて表面をならして予熱をしたオーブン175℃で
だいたい14分くらい焼く」
クロさんはゴムベラで綺麗表面をならしていき、オーブンに入れた。
「さて、みんなにもここまでやってもらおうかしら。
わからないところがあったらまた聞きなさい」
『はーい』
私たちもロールケーキを作る作業に移ったのでした。2014-10-27-091252.jpg
(右 スレイ 中央 サトリン 左 アレックス)
~90分経過~
 「うん、みんなだいたいできたわね」
とクロさんは私たち四人の完成したロールケーキをみながら言った
「本当だったら冷ますのに一晩ほしいんだけどね」
「うわぁん、スレイ~巻くとき失敗して形がおかしくなったよ~」
みれば確かに左右のバランスがくずれ形がぐしゃっとなってしまっている。
「ま、まあ食べれば一緒なんだからいいんじゃないか?」
「そ、そう?」
私はだまってうなずいてみせた。
「さてみんな、ベランダで食べましょうか」
『はーい』
こうしてクロさんのお菓子講座は終わり、
みんなの作ったケーキでお茶会をひらいたのでした。

2014-10-27-152424.jpg
(右 アレックス 中央 スレイ 左 アトミン みずらくてごめんなさーい)
「おいし~」
「ほんと、あなたがたべるとなんでも美味しく見えるな。
っとほっぺたにクリームがついてるわよ」
そう言いながら私はハンカチでクリームを拭き取った」
「サトリンさ~ん砂糖と塩まちがってます~」
「あれぇ!?」
「今度からきをつけないとね」
そしてベランダには4人の笑い声がひびきわたっ。



どうも、みなさん。おはこんばんにちは。
ヴィスです(*^^)v
ハロウィン近いなーってことでちょっとしたお菓子の作り方載せました~
ちなみに地球産のものでも代用可能なので
チャレンジしてみようという人はどうぞ~
そして絵がぁぁぁぁぁあ
一枚目はまだしも二枚目がひどいなぁ・・・
これからもたま~に挿絵も描いたりするので
御見苦しいかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。
今回はこの辺で
ほんじゃ、またな!



 アークスとなって、もう半年がたとうとしている
この半年の間私はいろいろな危機と対面した
なかでも3ヶ月ほどまえに起きた『深淵に到りし巨なる躯』呼ばれる戦い
ダークファルス「巨躯(エルダー)」との戦いは熾烈を極めた。
私たち『第104独立遊撃隊』が先陣を切っていき、どうにかこれを撃破
巨躯は倒されたと当初は思われたがしかし、
後日本部からの通達によると、巨躯はまだ消滅していなかったことが発覚。
おそらく、崩れゆく巨躯の身体のなかで見えた人影の一人は奴だろう・・・
しかしもう一人は誰だ? 疑問はつもるばかりだ。

 この3ヶ月の間私は『あるもの』をつくっていた。
じきにそれも完成である。
それと今私はある場所に向かっている。
今日は私にとって絶対に忘れてはならない日
私の運命を大きく変えたあの日―

 海が見渡せる高台。私はそこに来た。
そこにぽつんと2つの墓碑があった・・・私の家族の墓だ。
そう、この日は私の父と兄の命日・・・
忌々しいダークファルス襲撃事件が起きた日だ。
そよ風が草を揺らし、強い日差しがじりじりと暑い。
「父さん、エル兄さん・・・遅くなってごめんね。やっと会いに来れたよ」
私は父さんのお気に入りだったお酒と、エル兄さんが好きだった花の花束を、
取り出すと、そっと墓前の前に置いた。
それから私はその場でしゃがみ、
心の中でたくさんのことを家族に語りかけた。
自分の近況、ここ数ヶ月で起きたこと。
救えた人、救えなかった人。
いくつかの思い出話、家族への思い。
「エル兄さん、私アークスになったんだよ。
兄さんってこんなに大変な仕事をしてたんだね」
すでに私は自分の心を声に出して、ごく自然にはなしていた。
不思議だった。
こんなにも自分の胸の内を吐露したのは久しぶりかもしれない。
「エル兄さんはいつも直情的でちょっとバカなところもあったけど、
ものすごいバイタリティと勇気を持っていたよね。
あのとき私を助けるときだってそう。
私じゃ逆立ちしても真似できないと思う・・・たぶん。
ねぇ、教えてよエル兄さんどうしてそんなにどんな相手にでも
立ち向かっていけるの?」
返ってくるのはそよ風の音だけ・・・だと思ったが
(スレイ、さっきお前の仲間の一人の話をしてくれた時
それは自分で見つけるものだと言ってくれたと
話してくれたじゃないか。)
突然、父さんの声が聞こえた気がした。
(いつまでも甘えてはいかん、
自分で戦い切り拓く道を選んだのはお前だ。
なら、自分で正しいと思う道を歩め)
幻聴かもしれないがそれは確かに父さんの声だった。
(前をみろ、後ろは振り向くな。ただずっと前をな、お前は俺の自慢の娘だ・・・)
「そうだね、父さん。ごめんね、兄さん。答えは自分で探すべきよね」
こんな風にもっとたくさんみんなと話すべきだった。
あの時の自分はただ力のみを求めていた。
家族を失ったあの襲撃事件も尾をひいていて、そんな余裕はどこにもなかった。
ただ強くなろう、賢くなろうと努めるばかりで、誰彼かまわず挑んでいた。
「ありがとう。父さん、エル兄さん。私もようやく吹っ切れたよ」
もう、私は迷わない。ただ前を見て真っ直ぐ進む。
どんな困難があってもだ。
「私は、私がすべきことをするよ。
そしていつか、エル兄さんみたいな・・・いえ、エル兄さんより強い人になる」
私は立ち上がり家族たちの墓から立ち去ろうとした
(がんばれよ)
そういわれた気がしたが私は振り向くことなくその場を後にした。
2014-10-25-181123.jpg



どうも、みなさんおはこんばんにちわ
ヴィスです。
第二部いよいよスタートです。
スレイちゃんもようやく踏ん切りがついたようです。
心機一転ってやつかな?
これからどんな展開になっていくかはお楽しみです。
今回特別に絵を描きました、最後の場面のやつです・・・VITAだと画質わるぅ(ToT)/~~~
そして絵がへたぁー
では今回はこの辺で
ほんじゃ、またな!

 けなげに敵の攻撃を退けつつ約90分の時間がたった。
「充分だろう!降伏しろ!」
と、敵軍の指揮官が叫んだ。
フログから缶コーヒーを食らって昏倒していた男である。
どうやら気絶からめが覚めたらしい。
橋に殺到していたモヒカンたちも、男の命令で攻撃を一時中止する。
「貴様らの力はよくわかった。だが、これ以上争っても勝ち目はないぞ!?」
私たちの目から見ても、その通りの状況だった。
「きゅ、きゅいー……」
すでに戦闘可能なラッピーは、当初の30%程度ーおよそ100匹しか残っていない。
ほかの味方は疲弊しきって、後方に運ばれぐったりと寝ていたり、
売店の焼きそばやたこ焼きに舌鼓を打ったりしている。
かたや『ザ・フォー』軍は損耗したとはいえ、まだ一万もの圧倒的兵力を温存している。
「そこに膝をつき、頭(こうべ)を垂れるがいい。われらに恭順を示せば、
悪いようにはしない。家族の命も保証しよう。共にこの埠頭を支配しようではないか。
『ザ・フォー』の新アルバムも、三割引きで販売してやるぞ!」
そう、それはラピケット準備会にとって魅力的な提案だった。
ただここ場で膝を折れば、背後の参加者の安全は保証されるのだ。
だが、しかし形はどうあれ、それは彼らの奴隷になるのと変わらないのではないか?
「きゅぴ……」
白ラッピーは蛇ラッピーを一瞥した。
蛇ラッピーは『あなたの好きにしろ』というかのように首を振った。
白ラッピーはうなずき、橋を歩きながら空を見上げた。
つぶらな瞳が哀しげに輝き、もう二度とは戻らない大切な日々へと思いを
馳せているようだった。
橋の中央まで来て、しばしの間たたずんだ。
白ラッピーは感極まったかのように、がっくりと両膝をつき、
敵軍への恭順を示そうとした。
敵軍一万人が、武具を打ち鳴らし彼を嘲笑した。
しかし、
「きゅー」
彼はむくりと立ち上がり、男目掛けて振りかぶった。
「 ? 何を……げはっ!!」
白ラッピーが投げつけた炭酸飲料の缶を脳天に食らって、男が昏倒した。
「きゅぴー、きゅきゅ、きゅー」
白ラッピーはゆっくりと立ち上がり不敵にいいはなつ。
蛇ラッピー彼のそばに追いつき、きゅいっきゅいっと手招きする。
「来るがいい悪者め。何度でも相手してやる。……だって」
「なにを考えているんだ、あいつは……」
アレックスの翻訳を聞きティオニシアさんは呆れたような口調で言った。
「こ、殺せぇっ!」
当然、敵軍は激昂する。これまで以上の勢いで、
一斉にこちらを潰しに来た。
道路を埋めつくし、殺到する敵軍。
もはやラッピー側にそれを押しとどめるだけの余力は残されていない。
「きゅぃ……」
蛇ラッピーと白ラッピーが後じさり、すたこらと逃げ始めた。
橋の端っこまで来ると立ち止まり、おもむろに振りかえる。
そうしている間にも、敵軍は怒声を発しながらこちらに向かってくる。
「きゅいっ」
と、蛇ラッピーが白ラッピーになにかを手渡した。
「きゅー」
と白ラッピーが受け取った物をライフルのスコープで覗いたー
「じょ、冗談でしょ……」
それはリモコンの起爆装置だった。すでに安全装置は外されている。
「まさかー」
ティオニシアさんも何んのスイッチかと気づくと
白ラッピーがスイッチを押し込んだのはほぼ同時だった。
「きゅぴー」
次の瞬間、鋭い爆発が起き橋は真っ二つ折れた!
いつのまに仕掛けられていた高性能爆薬が、
リモコンの一押しで炸裂したのだ。
爆発そのものは小規模だった。
完璧な工学的タイミングで、いくつかの橋脚と橋桁がそれぞれ一直線に割れ、
橋が自重で崩壊した。
『ひっ………ひぎいぃぃぃぃぃぃぃ!!!』
当然橋の上を走っていたモヒカン集団は橋と共に海へと落ちていった。
「きゅ……」
蛇ラッピーが瞑目してなにかをつぶやいた。
「きゅー!」
その蛇ラッピーの後頭部に赤ラッピーがハリ・センを降り下ろした
「できればこの手段は使いたくなかった、って」
「もう、突っ込む気もおきんな」
「赤いラッピーがもう突っ込んでますけどね」

海に落ちた敵兵数百は、泣き叫びながら助けを求めた。
こちらの岸に這い上がろうとする者は、
ラッピーたちの容赦のないモップの突きで再び海へと落とされる。
唯一の進撃路である橋を破壊されたことによって、
『ザ・フォー』軍の攻撃はもはや困難になってしまった。
対岸にいた軍勢も目の前でおきた惨劇に戦慄し、
一人、また一人とその場を立ち去っていった。
かくして、戦いはラッピーマーケット準備会の勝利に終わったのである。
不幸中の幸いかこれだけの戦いで両軍ともに死者が一人も出なかったのは奇跡である。
後日ニュースでは『ザ・フォー』の熱心なファン一斉に詰めかけたため
橋の構造的弱点に応力が集まり、その結果、橋が崩壊した。と片付けられた。
もちろん104部隊のメンバーの誰かのコネで情報が操作されたんだろうが……
そういうわけで、ラッピーマーケットとその参加者は無事守られたのだが
「スレイ、そういえばクロさんもいたね」
「えっ!?ほんと?」
「うん、あのすっごい強い赤いラッピーがクロさんだよ」
すぐにまわりを探したがその姿はどこにも無かった。
「あいつももの好きなやつだな」
と、ティオニシアさんは笑いながら言った。
なにはともあれ、クロさん感謝いたします。と心のなかつぶやいた。
戦闘後の夜、橋が壊れたせいでなおも埠頭にとどまり、
祝勝会でもりあがるラッピーたち。
そのなかできゅぴきゅぴと乾杯している
蛇ラッピーは私たちにヘッドセット越しに言った。
『羽毛の絆はなによりも固い』
傷だらけのラッピーたちはきゅぃきゅぃと祝杯をぶつけあうのだった。
「あれ?そういえばヴァイスさんはどこ?」
「まあ、どっかにいるだろ」
「ですね」

ー 海底 ー
「誰かー助けてー」
その後ヴァイスさんのコアユニットは
海底で見つかり無事回収された。

第104独立遊撃隊 104部隊の休日「羽毛の絆」 《完》


皆さん、おはこんばんにちは。
ヴィスです。
やっと終わりましたー(^.^)
ラッピーかわいいですよね?
ゲーム内の私のラッピーはなぜか丸々と太っております
運動させねば……(-_-;)
今回の話に参考したものは「300(スリーハンドレッド)」という映画です。
知らない人はググってください(オイ
個人的にはあまり面白くない映画ですた。
この話を書きはじめるとき観覧者数が300近かったってのもあります。
次回は第二部の開始です。
これからも応援よろしくお願いします!
では今回はこの辺で
ほんじゃ、またな!

 かくして橋を挟み、両軍が対峙した。
その橋には片側二車線の道路が通っており、
ちょうどバスケットボール場くらいの広さがある。
対岸は敵で埋めつくされていた。
見渡す限りどこまでも。『ザ・フォー』ファンの暴徒たちは、
無秩序に凶器を打ち鳴らし、罵声を飛ばしてきた。
「やんのか、コラァ!?」
「きゅぴきゅぴうるせぇんだよ!!」
「かわいいからって容赦しねえぞ!?」
対する300匹のラッピーは整然と隊列を組み、澄んだ瞳で敵軍を見据えている。
敵軍の中から、指揮官とおぼしき一人の男が進み出た。
「ラッピーマーケットの者どもよ!!」
橋の向こうから指揮官が叫んだ。
「われらの軍勢を見よ!!抵抗は無意味だ!!いますぐ武器を捨て、
道を開けるがいい。さすれば貴様らの命だけで許してやる!」
「きゅー」
と隊列の先頭で白ラッピーが言った。
「退かぬというのか?過ぎた勇気は身を滅ぼすぞ!」
「きゅいきゅぴー」
「おろかなり、ラッピーマーケット!われらは最後の慈悲を示した。
このうえは、貴様の一族老党を一人残らず……げふっ!」
白ラッピーの隣にいたフログが、背中のリュックの中に入っていた
缶コーヒーを投げつけ、男の頭に見事命中させたのである。
「ゲコッキュー」
三万人が色めきだち、300匹をにらめつけた。
「この……ぬいぐるみ風情がっ!」
「やっちまえ!」
もはや口上は必要なかった。敵軍は手にした凶器を振りかぶり、
怒声をあげて突撃を開始する。
地響きのような轟音が、あたりの大気をびりびりと震わせた。
「きゅい!きゅぴっぴー!!」
白ラッピーの号令一下、ラッピーたちは手にした盾を『ばっ!』と同時に構え、
モップの槍を全面に突き出した。
「きゅー!!」
迫る敵。迎える300匹。
ついに両軍が激突した。
橋の横幅いっぱいに広がったラッピーファランクスが、
敵軍の最前列をがっちりと受け止める。
ズサーッ!!
地面を踏みしめる鳥足が、その衝撃で2メートルほどすべって後退した。
だが見よ。
300匹の隊列は、いささかも崩れはしない。
津波のごとき凶暴を前に、いささかも怯まず、
ゴミ箱のフタで攻撃を防ぎ、モップの槍で猛烈な反撃を繰り出した。
顔や胸、みぞおちや金的を突かれ、最前列の敵軍がつぎつぎにたおされていく。
「きゅい!」
敵の打撃を盾で受け、いなし、ひとりまたひとりと敵をほふっていく。
敵の釘バットをかわしきれないラッピーもいたが、
全身をおおうふわふわの羽毛が、そのダメージをことごとく軽減した。
はじく! ふせぐ! よろめかない!
「きゅぴーーっ!!」
「ひっ……」
ひるんだ眼前の敵を突き倒し、叩き伏せ、踏みつける。
白ラッピーの槍が真っ二つに折れた。だが白ラッピーはあわてず赤いマントをひるがえし、
折れたモップの切っ先を敵兵の尻に突き刺した。
「がっ!!」
「ぴっぴーー!」
隣の蛇ラッピーもじっとはしていない。
敵軍に飛び込むやいなや得意の格闘術でちぎっては投げの無双を見せつけた。
フログとパンプキンはどこから出したのか、高圧電流の流れる
スタンバトンを引き抜き見事な足さばきで眼前の敵を薙ぎ払っていく。
敵軍第一波は、300匹を前にして総崩れになった。
第一波のしかばねを踏み越え、第二波が殺到した。
最前列のラッピーたちが下がり、後ろに控えていた無傷の二列目が迎撃にあたる。
ずらりと並んだ盾を壁にして、敵の攻撃を跳ね返し、
さらに粘り強い反撃をたたきつける。
『ザ・フォー』軍が進撃するには、この橋を通るほか経路がない。
ここはボトルネックだ。
たとえどれほどの大軍であろうと、一度に相対する敵の数は互角である。
それがたとえ三万の暴徒であろうと―
「すごいよスレイ。防いでるよ」
ラッピーたちの戦いを遠目から見ていたアレックスが、感嘆の声をあげた。
第八波。第九波。第十波。
300匹のラッピー部隊は一歩も譲らずに、押し寄せる敵軍を撃破していく。
「これは、もしかしたらがあるかもしれないな」
わずかにみえてきた希望の光。
「頑張ってるけど、このままじゃ……」
それでもやっと敵の一割が減ったところだ。対する300匹は戦いづめだ。
どれほどの覚悟があっても、そう長くはもたないはずだ。
私たちの心配をよそに300匹は戦い続ける。
途中敵が卑怯な手段を使おうとするが
それを私たちは許さず。
こっそりと遠距離狙撃で片付けた。
敵は怪しいお面をかぶった精鋭部隊を投入した。
その精鋭部隊に対し一匹赤いラッピーがハリ・センを持ち
たった一匹で壊滅させる
「あの赤ラッピーの動きどこかで……」
私は見覚えのある動きをする赤ラッピーをよそに
援護射撃を続けた。
「きゅー……」
しかし、さすがに疲労の色を隠せなくなったラッピー部隊。
敵の釘バットの餌食となり、後方に運ばれるラッピーも次々にではじめた。
第18波。第19波。第20波。
ジリジリと追い込まれるラッピー部隊。
いよいよこの戦いも終わりをつげようとしていた……。



どうもみなさん。おはこんばんにちは。
ヴィスですよ。
次回で休憩編104部隊の休日は終了です。
休憩とか言いながら本編より気合いを入れて書いてしまった
これ如何に(-_-;)
第二部も頑張っていきたいなー
話には全く関係ありませんが
家で飼っている猫が先日血尿をだしてしまい、今日検査にいったのですが
全くもって健康的だという結果でした。お騒がせ猫め……でもかわいいから許す!
では今回はこの辺で
ほんじゃ、待たな!(^^ゞ

 ほどなくして特設ホールにラッピスーツ参加者が集まった。

総勢300匹のラッピー。
このイベントに参加したラッピーすべてが、ここに集まったのである。
見渡す限り、つぶらな瞳。
赤、青、黒、瑠璃色、黄金色。
迷彩仕様、サンタ仕様、紋付き袴仕様。
あらゆる色、あらゆる扮装のラッピーたちがステージ上の白ラッピーを見つめていた。
「こ、こんなにいたなんて……」
私はあきれ顔でつぶやいた。
白ラッピーこと羅秘太代表が300匹のスーツ参加者に
状況を説明する。
「きゅい、きゅい」
と、白ラッピーが言った。
「きゅきゅきゅい。きゅぴっぴ。きゅーきゅきゅ、きゅぴー……」
その言葉を聞いて、300匹のラッピーたちの間に
困惑のざわめきが起きた。
「きゅいきゅいきゅー!」
一匹のラッピーが責めるように叫ぶ。
「きゅぴきゅぴ……」
と、白ラッピーは自身の非を認めながらも、話を続けた。
「きゅー。きゅいっきゅっ、きゅー。ぴー、きゅきゅ、きゅー?
……きゅいっ!きゅきゅぴー、きゅぴきゅぴ!」
白ラッピーの熱い言葉。
その悲壮な決意に、300匹がはっとした。
「きゅー!きゅー!きゅー!」
300匹はうなずきあう。白ラッピーはなおも熱弁をふるう。
「きゅー、きゅきゅ?きゅぴ、きゅ!」
その通りだった。
「きゅきゅっ!」
きっとそうなるだろう。だがー
「きゅ!きゅー!きゅぴきゅー!」
その一言は彼らの心を強くゆさぶった。
天よ、地よ、ここに見よ。
われらは集う。羽毛の絆をもって。
われらは誓う。キュートなくちばしの自由を。
そしてわれらは戦うのだ。
我が身をなげうち、この地を第二のラッピーの楽園として、
その名をどこまでもとどろかせよう。
と、言ったかどうかはアレックス以外には分からないが、
なにやら感銘を受けた様子の300匹は、
一斉にフワフワの羽毛のついた腕を振り上げ、
勇ましい雄たけびをあげた。
『きゅぃーーーーーーーっ!!!』
イベントホールが震撼する。
スタッフたちの号令と共に、300匹の迎撃準備が始まった。

一般参加者の協力で、会場中からゴミ箱のフタとモップがかきあつめられ、
300匹の武装とした。
ゴミ箱のフタは盾。モップは槍である。
ちなみに、私たちも戦いに参加すると申し出たが
(もともと暴徒鎮圧もアークスの仕事の一つである)
羅秘太代表が
『これは我々ラッピーの存続をかけた戦いです。
他の者の手を借りればリリーパどもに笑われてしまいます』
と言い断っている。
ラッピーマーケット準備会・特別混雑対策班の参謀に任命された教官は
埠頭と陸地とをつなぐ橋を戦場に定めた。
 悲壮な覚悟で迎撃地点へと向かう300匹を、
一般参加者が辛そうに見送る。
中には妻や子と抱き合い、別れを惜しむラッピーの姿も散見された。
妻子の身でありながらその趣味はどうなのかという
意見もあるだろうが、とにかく涙を誘う場面だった。
「教官、この作戦はあまりにも無謀です!」
行軍する300匹のかたわらで、私は蛇ラッピーに訴えかけた。
「こちらは300、対する向こう側は3万です。こちらは1匹につき100人を
相手にしないといけない計算になります。兵力の差は明らかです」
『確かに、計算上はそうだ』
蛇ラッピーはもきゅもきゅっと同意した。
『しかし戦術を駆使すれば、この不利な状況を覆すことも可能だ』
「し、しかし……」
『案ずるな。この戦いは必ず我々が勝利する。
そしてこの戦いは歴史的な戦いのひとつとなる。
おまえは歴史の目撃者となるのだ』
「それは、絶対にありません」
『それに最後の手段も用意してある』
「……教官、ウィスティリア号の遠距離射撃で皆殺しはだめですからね」
『………。わかった、そのプランは除外しておこう』
「って本当に考えてたんですか!?」
『とにかく俺は指揮をとらなければならない。行ってくる』
蛇ラッピーはピョコピョコと去っていく。
「自身があるのは結構だが。怪我はするんじゃないぞ」
300匹の隊列と共に遠ざかる深緑とフログとパンプキンの背中に
呼びかけると、三匹はもきゅっと羽毛に包まれた腕をあげてみせた。



どうも、皆さん。おはこんばんにちは。
ヴィスです。
時間がないのでちょっといい加減なできになってしまい申し訳ありません
ペースは落ちますが自分でも納得のいく作品が書きたいので
ゆっくりと更新していきます。
ご了承くださいm(__)m
では今回はこの辺で
ほんじゃ、またな! 

 ここから見えるだけでも、

おそらく一万人以上はいるだろう。
この埠頭を取り囲んでいるのなら、
数万人は越えているのではないか
暴徒と化す寸前の数万人ー
駅にいた連中などほんの一部だったらしい。
げらげらと笑う『ザ・フォー』のリーダーと同じような扮装の大群が、
釘バットやバイクのチェーン、鉄パイプを振り回して怒号を発している。
まさしく地響きのような声だった。
「毎年駆けつける三万人のファンだぜえ」
男がせせら笑った。
「もうじき奴らがこの会場に突撃してくる。そうなったらーーどうだ?」
ラッピーマーケットは蹂躙される。
ささやかな店はことごとく焼かれ、丹精こめて用意したグッズは
めちゃくちゃに壊され、ここにいるラッピーたちも無事にはすまないだろう。
「きゅー……」
白ラッピーはもちろん、私たちも戦慄を禁じえなかった。
これはもはや音楽活動ではない。
宗教的にゆがんだ、悪の十字軍だ。
これだけの人数を集められる、よこしまなバンドが存在するとは……!
「これ、隊長たち呼んでもいいレベルだよね?」
アレックスは通信端末取りだし連絡しようとしたが……
「あ、あれ?繋がらないよ!?」
無線、有線、亜空間通信を問わずありとあらゆる通信網がまったく反応しないのだ
「どういうことだ!?」
『ほぅ、どうやら敵のサボタージュのようだな』
と、教官が言った。
蛇ラッピーに内臓された電子兵装で、
会場周辺の電子環境をスキャンしたようだ。
『通信回線を全て無力化されているな』
「あれだけの人数です、専門家の一人や二人いてもおかしくありません」
「そんな!」
「つまり、いまやこの埠頭は、文明社会から完全に孤立しているわけか」
重苦しい沈黙があたりを支配した。
いまも対岸でがなりたてている凶暴な三万人が、
これからこの会場に殺到し、
乱暴狼藉の限りを尽くそうとしている。
『さ、参加者を避難させましょう』
と、スタッフの緑ラッピーが言った。
『残念ですが、ラピケットは中止するしかありません。
火災対策班と協議して、いますぐ参加者の誘導を……』
『避難は不可能だ』
と、蛇ラッピーが否定した。
どこからともなく会場周辺の地図を取りだし、一同の前でもきゅっと広げる。
ラッピーたちがその地図を取り囲んだ。
『この埠頭は埋立地の島で、陸から隔絶している。
北側の橋だけが脱出路だが、その橋の向こう側に連中が集結しつつある。
つまり退路が塞がれているわけだ』
東側にも建設中の橋はあるのだが、いまのところ
この埋立地は出島のような形になっている。
その『出島』の出口が塞がれているのだ。
『湾岸を回る海上バスがあるでしょう。海から脱出すれば?』
『あの船で一度に運べるのはせいぜい五十人だ。数千人の参加者を……』
論議がしばらく続いたが結論は『戦う』と言うことだ。
もちろん、多くの者が反対したが、
実質それ以外の選択肢は無いに等しい。
選択の余地は無いのだ。
かくして、会場に集まるラッピーたちに志願兵を募るのだった……



どうも、みなさん。おはこんばにちは。
ヴィスです。
いよいよ、「羽毛の絆」編も終盤にかかっております。
三万人の暴徒に対し迎えうつ三百匹ラッピー、次回パート5をお楽しみに!
後、気づいている人もいるかもしれませんが
カテゴリ別におおまかな話をわかりやすく区別しました。
たまには過去の作品も見ていただけると幸いです。
では、今回はこの辺で
ほんじゃ、またな!(^^ゞ

 『……と、これがラッピーの生態です』

「は、はあ…」
謎の貴族風の白ラッピーにたっぷり30分と
話を聞かされた私たちはもうくたくたである。
『ああ、そういえば自己紹介が遅れましたね。
はじめまして、お嬢さん。私はラッピーマーケット準備会の代表、
羅秘太(らぴた)と申します』
今さら自己紹介ですか!?というツッコミはあえてしなかった
涼やかで知的な、よく通る男性の声だった。
ただし目の前の白ラッピーは、ほかのと同様『きゅいきゅい、きゅぴー、きゅっきゅっ』
と言ってるだけなのだが。
「あ、どうもご丁寧に……」
『もちろん羅秘太はペンネームです。
ラピケットの代表がこれでは出来すぎですからね。ふふふ……』
「いや、ラピケットなどに略されても」
ティオニシアさんの言葉をスルーしつつ羅秘太代表は続ける
『それよりラッピースーツの歴史についてです』
「ま、まだあるんですか……」
げっそりしながら私はそう聞いた
『当然です。この場で語り尽くせないほどラッピーの歴史は深いのです』
そう言い羅秘太代表は一方的に講釈を始めた。
『もともとラッピースーツは、十五年前、ある玩具メーカーが展開していた商品シリーズでした。
あなた方が知っている遊園地のラッピーランドもそのときの
タイアップ企画の名残です。ラッピーランド自体は版権を持っていません』
「つまり借り物ってことですか?」
『そうです。実は玩具メーカーの肝いりで児童……』
そう羅秘太代表が話しているとき
「きゅー、きゅぴー!」
と、緑色のラッピーが駆け寄ってきた。翼には『STAFF』の腕章をつけている。
ヘッドセットのチャンネルが切り替わったらしく、
白ラッピーこと羅秘太代表の声が聞こえなくなった。
「きゅい?」
「きゅぴ、きゅぴー。きゅいきゅい、きゅー!」
「きゅい?きゅっ……!」
スタッフの緑ラッピーから報告を受け、白ラッピーはなにやら深刻そうにうつむいた。
「きゅっ」
会釈すると、白ラッピーと緑ラッピーはあわただしげにキュッキュと駆け去っていった。
「なにがあったんだスネーク?」
と、ティオニシアさんが蛇ラッピーにたずねる。
『うむ。どうも何者かが狼藉を起こそうとしたらしいな。放火だとか……』
「放火!?」
アレックスがすっとんきょんな声をあげた。
「心配ですね。私たちも様子を見に行きましょう」
『そうだな』
「なんで『私たち』なんですか?私たち三人は部外者……って、きゃっ」
有無を言わさず蛇ラッピーは私たち三人をヴァイスさんのフログとパンプキンの
背に放り投げ、そのままスタッフたちの後を追った。

 ホールの一角、特設ステージの裏手にいくと、ラッピー山の鳥だかりが出来ていた。
人間なら黒山の人だかりなのだが、集まっているのがラッピーなので
こう表現せざるをえない。
どうやら狼藉者はすでに取り押さえられた様子だ。
その人数は四名。
それは今も荒々しく気を吐いている。
「コラ、やんのか!?ああっ!?」
「いてえよおっ!いてえよおっ!」
「(ピー)するぞ!?おお!?」
などと、会場のほっこり、もきゅもきゅした空気とは正反対の殺伐ぶりである。
モヒカンやらタトゥーやら、ビョウ付きの革ベルト。極悪メイクの極悪人だ。
しかし、こいつらの格好には見覚えがある。
「おい、スレイこいつら……」
どうやらティオニシアさんも感づいたみたいだ。
「ええ、駅前にいた連中と同じですね」
「おら、放しやがれ!てめえら全員、焼き鳥にしてやっぞ!?」
リーダー格とおぼしきスキンヘッドにタトゥーをいれた男が、
口から泡を飛ばす勢いでがなりたてる。
「きゅー……」
その場のラッピーたちは、みなスタッフの腕章をつけていた。
きりっと厳しい表情の者もいるが、
大半は気の弱いラッピーで、眉を八の字にさせて困惑顔を浮かべている。
『羅秘太代表。何があったんだ?』
スタッフから報告を聞いた白ラッピーに、蛇がたずねた。
『ええ、実は……』
小十分程度で大体の事情を聞き終えたのか蛇ラッピーはこちらに戻ってきた。
白ラッピーから聞いたことを簡潔に話すと、彼らはその筋では有名な
インディーズバンド『ザ・フォー』(私は聞いたことがない)のメンバーで
「この会場を使うのは自分たちだ」と主張し、演奏中のステージに火炎ビンを
投げ込もうとしたらしい。
会場はちゃんと正規の手続きを通して羅秘太さんたちに貸し出されている。
明らかに向こう側の妨害行為だ。
「くっ……ヒャーーハッハッハ!」
放火未遂犯のリーダー格が、高笑いした。
見ればいつのまにかスタッフからヘッドセットを受け取っており
一同の会話を聞いていたらしい。
『なにがおかしい?』
「ヒッ……ヒヒッ。さっきのはただの挨拶代わりだぜえ?」
『なに?どいうことだ、言え!』
蛇ラッピーが今にもつかみかからんとする勢いで問いただした。
「俺たちのパフォーマンスを口火にな、ファンがこの会場に殺到する手はずだったんだよ。
外を見てみな」
 そのステージ裏の側には、物資の搬入出用の大型シャッターがあった。
白ラッピーにうながされ、スタッフの一人がシャッターを操作する。
『なんだ……これは…!?』
シャッターが開いた敷地の向こう、湾岸地帯の河口を挟んだ対岸の陸地に、
無数の群衆がいた。
びっしりと、見える限りどこまでも…………




どうも皆さん。おはこんばんにちは。
ヴィスです。
そろそろ第二部を書きたいなーと思うこの頃
そこはぐっと我慢し、このはなしを終わらせていこうと思います。
当初2.3パートで終わる予定がだらだらと長引き今に至るという感じです。
では次回パート4も楽しみに待っていてください。
ほんじゃ、またな!

 私たちは写真集のブースを離れ、辺りを見て回る。
並んでいるのは本だけではないようだった。
その他さまざまなラッピーグッズもあちこちの店で活発に売り買いされている。
B2サイズのラッピーポスター。ラッピーマグカップ。ラッピータオル。ラッピーキャップ。
ラッピーシューズ。ラッピーバッグ。
ほかにも手乗りサイズのラッピーフィギュア、手触り最高のマイクロファイバー製ぬいぐるみ、
陶器製の置物など、立体物も多い。
「きゅい!」
人ごみの向こうから、私たちに近づいてくる一匹のラッピーがいた。
「きゅい、きゅぴー。きゅー!」
それは深緑色のラッピーで、頭にバンダナを巻き右目には眼帯をしていた。
どこかでみたような格好なのだが……
「な、何者だ……?」
と、身構えるティオニシアさんをそっちのけに、アレックスはじいっと目をこらして
そのラッピーを注意深く観察していた。
そして手をポンっと叩くと
「もしかして、スネーク教官?」
「きゅい」
バンダナラッピーが、まるで『正解だ』とでも言うように、
尊大にそりかえって何度かうなずいてみせる。
「アレックス、なぜわかる……!!?」
もはや戦慄に近い表情でティオニシアさんは言う
私もこの格好で薄々感付いていたがまさか本当に教官だったとは……
「え、え~と、なんとなくです!」
「そ、そうか……」
さらに私たちのもとに二匹の巨大なラッピーが現れた
一匹はカエルの着ぐるみをきたラッピーで
もう一匹は巨大なカボチャを被ったラッピーである。
そしてその回りにふわふわと浮遊するキューブ状の物体が飛んでいた。
「あ!これヴァイスさんが飼ってるラッピーだ!」
「……。」
もはやツッコむことすら止めたティオニシアさん
「やあ、みなさん。よく来てくれました。」
突然ヴァイスさんの声が聞こえてどこにいるのかと
辺りをきょろきょろと見回していると
「目の前ですよ、め、の、ま、え!」
さっきから音声を発していたのはどうやらこのキューブ状の物体だった。
「あぁ、そういえばまだボディが届いていなかったんだったな」
ヴァイスさんは以前DF戦でボディを交換しあければならないほどの大怪我をしていて
今はそのコアユニットのみの状態である。
「あ、フログ、みんなにあれを渡してください」
「ゲコ」
カエルラッピー(以後フログ)はヴァイスさんの指示を受け
背中の巨大なリュックサックをごそごそと探り、
ヘッドセットを三つ取り出した。
「ゲコ」
「何?これ?」
「え、なんだ?」
「多分『つけろ』って言ってるんだよ」
こくこくとうなずくフログの目の前で、私とアレックスとティオニシアは
ヘッドセットを着けた。
『お前たち、聞こえるか?』
と、ヘッドセットからスネーク教官の声がした。
目の前のバンダナラッピー(以後蛇ラッピー)は両翼をぱたぱたとさせて、
きゅいきゅい言ってるだけなのだが、中の教官の声を無線で飛ばして、
ヘッドセットに伝えている仕組みである。
『お前たちがなぜここにいる?』
「昨日、ヴァイスに誘われたんだ。それよりスネーク、お前もなかなかかわいい趣味をしているな」
『き、気にするんじゃない』
いいものを見た、今度みんなの前で恥をかかせてやる、と私は心のなかでニヤリと笑った。
「で、ヴァイスさん。なんなんです、これは?」
会場を見回す。『ラッピーマーケット』とやらはいよいよ盛り上ってきたようで、
あちこちから歓声や拍手が鳴り響いていた。
まあ、歓声は『きゅーーっ!』で、拍手はペチペチと翼を打ち鳴らす音だが。
「見ての通りのイベントです。年に一度、アークス全シップから同好の士が集まり、
物質や情報のやりとりをするんです」
「オンリーイベントってやつか。ここまで大規模なのは珍しいが……」
と、ティオニシアが言った。
「ら、ラッピーだけをテーマに集まってるの?これだけの数がですか!?」
『そうだ』
驚く私たちを引き連れ、教官とヴァイスさんとラッピー二匹は会場を歩き出した。
「私が各惑星に生息する巨大ラッピーを捕獲して飼ってることは知ってますよね?」
「あ、はい」
ヴァイスさんは以前その巨大なラッピーを引き連れ全アークスに
ラッピーの素晴らしさ、愛らしさを布教しようとしたことがある。
だが結果は大惨敗だった。物好きな一部のアークスに喜ばれただけで終わり、
ほとんどのアークスは恐怖の対象として捉えられていたと聞いている。
『先日、このイベントの主催者がその布教を知って感銘を受け
ヴァイスを招待したんだ、ちなみに俺もラッピースーツを軍用の強化服に
徹底改造してアークス中の軍や警察に販売しようとしたが、大赤字で終わった……
まあ、主催者がその事も知って俺も招待されたんだがな』
すぐそばを青いラッピーが通り、蛇ラッピーとヴァイスさんに
『もきゅっ』っと会釈していった。ほかの参加者も似たような反応である。
なにやら彼らはこのラッピーたちから、ひとかどの敬意を受けているようだった。
『この通り歓迎されている』
「ってか、そもそもラッピーって何なんだ?どこの惑星にも生息する謎のかわいい生物じゃないのか!?」
『それは私から説明させてください』
と、ヘッドセットの音声に新たな声が割り込んできた。
そばを見ると、白いラッピーが私たちに近づいてくるところだった。
白いラッピー。
雪のような純白の羽毛に、落ち着いたつぶらな瞳。銃士隊を思わせるような
つば広の帽子には、黄色い羽飾りがゆれていて、
左肩には上品な刺繍のマントをつけている。
きりっとしたくちばし。ただよう風格。
見るからに地位の高そうなラッピーであった。
いや、ラッピーの世界に地位の高低があるかどうかは知らないが、
とにかく偉そうなラッピーなのである。
そして私たちは、その白いラッピー(以後白ラッピー)にラッピーの生態から
歴史まで長々と聞かされるのだった。



どうも、みなさん。おはこんばんにちは。
ヴィスです。
パート2いかがだったでしょうか?
なるほど、おおき過ぎるかわいいは、異様に見えるわけか。。。。
第二部の準備も着々と進んでおります、内容的にはあまり言えませんが
PSO2の緊急クエストでお馴染みのものがベースとなる予定です。
いつも見てくれてる人に何で投稿ペースが落ちないの?
と以前聞かれました、う~ん何ででしょうねぇ
いまいち自分でもわかってない感じですが
しいてあげるとすれば、応援してくださる人達がいるからですかね?(ぇ?
では今回はこの辺で
次回「羽毛の絆」パート3を楽しみにしていてください!
ほんじゃ!待たな!

 みなさん、こんにちは。スレイです。
今私たちアレックスとティオニシアはヴァイスからの招待を受け
アークスシップ内にある、とある海上展示場に向かっていた。

 「なんか……変な雰囲気だね」
湾岸のモノレール線の駅。日曜日だというのに、家族連れやカップルの姿はほとんどなく
怪しげな通行人が多い。
どう怪しいか?
なぜかモヒカンとタトゥーの男がやたらと多いのだ。
ビョウ付きの皮ジャンや、ピアスやら。
あからさまに凶暴そうな顔つきの者をよく見かける。
街内で一日に一度、見るか見ないかといった感じの人種に、
改札前に来るまで50人以上と遭遇している。
「ヒャーハッハッハッ!」
などと叫びつつ、階段の壁にスプレー缶で落書きをしている連中までもいる。
ほとんど昔アニメで見た世紀末救世主伝説の世界だ。
絵に描いたような核戦争後の悪党ども。
善良な村人を『汚物は消毒だ~~!』と虐殺してると、
通りすがりの拳法使いに指先ひとつでダウンされそうな連中なのである。
駅前にはさらに大勢が集結しており、耳障りな楽曲をガンガンと流して
激しく頭を降っていた。
「なんなんだ、こいつらは……?」
「怖いよ~」
「スレイ、アレックス、目を合わせてはダメだからな!」
身を硬くして、集団の中を突っ切っていく。
駅を離れてすこし歩くと、怪しい集団は見かけなくなった。
「なにかの宗教ですかね?」
「さあな……」
「と、とにかく速く行こうよ」
それから歩くこと十数分。目標地点であるそこそこ立派な展示場に到着した。
「で、ここがイベント会場か」
「そのはずです。でもさっきから連絡してるけど出ないんですよね……」
私たちはヴァイスがなんのイベントを開いているかは聞いてはいなかった。
「まさか、エッチな本の即売会とか?」
と、アレックスは呟いた。
「さあな、ま、どうせキャストの集いか何かだろ。新型のパーツとかを売り買いしてるんだろきっと」
無駄に広大なエントランスを抜けて、会場に入っていく。
ほどなく広大なホールに出た。ウィスティリア号訓練場を数十倍にしたような空間だ。
そこがイベント会場だった。
立派なゲートが設営されており、看板にでかでかとイベント名が明記してあった。
『第9回ラッピーマーケット』
その会場で私たちが目撃したのはー
大量のラッピースーツを着た人々だった。


 ラッピーは惑星各地方にすむかわいらしい鳥だ。
ふわふわの羽毛、大きくつぶらな瞳、歩けば『キュッ、キュッ』と音がして
喋れば『キュー』と声がする。それを模したのがラッピースーツだ。
そのラッピースーツを着た人が、おそらく100匹以上。
この湾岸の広大なイベントホールに大集合しているのだった。
「え……ちょ………」
「なに? なんなの?」
「……かわいい」
ずらりと並んだ大量の机。あちこちにそびえる看板やのぼり。
数百のブースが店を出しており、参加者のラッピーたちが、
きゅいきゅいとグッズや本を売り買いしている。
特設ステージでは五匹のラッピーがバンドを組み、今ちまたのアイドルクーナの曲を演奏している。
かたわらでは曲に合わせてクーナ風のラッピーガールたちがダンスを披露し、
やんややんやの喝采を受けていた。
 人間の参加者も、大勢いるのだが、やはり強烈なインパクトを発散させているのは、
会場の各所を行き交いしている大量のラッピーズだった。
 通常タイプの黄色のほかにも、青色、ピンク色、緑色など、多種多彩な体色、
多様なコスチュームのラッピーたちが勢揃いしている。
 本来なら、『やー、かわいい~っ!』だのと身をよじっているところなのだろうが、
ここまで数で押されると、喜ぶより先に当惑してしまう。
しかもあやしい即売会。
全力で撤退しなかったのは、わずかばかりの好奇心のおかげだ。
「きゅーっ!きゅーっ!」
そばのブースでなにかの本を販売していたラッピーが、私たちに手招きをした。
「え……?な、なに………?」
「きゅい」
そのラッピーはうすい空色の体色だった。
空色ラッピーは売り物の本を突きだし、
ふわふわの羽毛のついた翼で器用にページをめくって見せる。
それはカラーの写真集で、いろいろなラッピーがクールなポーズをとっている内容だった。
「か、かわいいとは思うんだが、どういう需要があるんだこれは?」
ティオニシアさんはまだ困惑している。
とはいえ案外、しっかりとした作りの本である。
同人誌のようだが、商業誌でも立派に通用するだろう。
「きゅピー」
な、なんて言ってるんだと思っている私とティオニシアさんをよそにアレックスがはなしだした
「買ってって言ってるの?」
「きゅぴ。きゅー」
「うーん………1500メセタは高くない?」
「きゅ……きゅぴ!」
「1000メセタに負けてくれる?じゃあ、買ってもいいよ。はい。」
「ぴー」
アレックスから1000メセタを受け取り、そのラッピーはにこにこと
写真集をアレックスに渡してきた。
さして苦もなく意志疎通し、商談成立させたアレックスを私とティオニシアさんは
驚愕と羨望の眼差しで見つめる。
「アレックス、言葉がわかるのか!?」
「ええと、テキトーで、なんとなくです」
「そ、そうなのか」
アレックスの意外な素質をまた見つけた私だった。


どうもみなさん、おはこんばんにちは。
ヴィスでーす。
少し訂正予告ではラッピーと書きましたが正確にはラッピーの着ぐるみをきた人です。
間際らしくてすみません。
本当は全部書いてしまいたいのですが
そうするとかなり長くなってしまいかえって読みににくいんじゃないかと思い
二、三本に区切ることにしました。
では次回も第104独立遊撃隊 少女の記録「羽毛の絆」パート2
ご期待ください!
では今回はこの辺で
ほんじゃ、またな!(^^ゞ
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