艦長との話が終わったサト=ニーとフジは搬入作業に移っていた。
「そういえば、妹さんはどこだ?」
「ああ、予約していた宿で温泉にでもはいってるんじゃないかな」
「そいつはいいな、俺もこの作業が終わったら風呂でも入ろうかな
そして風呂上がりビールだ!ニーも付き合ってくれるだろ?」
「....まあ、一杯くらいならかまわー
っ!?このフォトンの流れは...!」
「どうしー」
フジの言葉は突然の緊急アラートによってかきけされた。
《市街地付近とドック付近に大型ダーカー転移反応あり その他小型ダーカーの転移反応も多数
アークス戦闘員はただちにこれに対処せよ 繰り返すー》
これを聞いたサト=ニーは顔を青ざめフジは真剣な表情に変えた。
「まさかこんなとこまで来るとはな、まあいちもどおりにー
どうしたニー顔色が悪いぞ?」
フジはようやくサト=ニーの様子がおかしいことに気づいた。
「...妹がまずいかもしれん、フジ急だが戦闘機を1機貸してくれないか?」
フジは少し考えたが首を横にふった。
「悪いがニー今戦闘機はどれも動かせる状態じゃない
早くても後5分はかかる」
「だめだ、それでは間に合わー
フジあいつは動かせるか」
サト=ニーが指差した方向には例の白い『A・I・S』が沈黙を保ったまま鎮座していた。
「あ、ああ動かそうと思えば今すぐにでも…まさか…!待てっ!ニー!」
フジが静止を振り切ってサト=ニーは素早く機体によじ登りコックピットに入った。
「なるほど、操縦法は戦闘機と大差ないか。なら…やれるな!」
沈黙を保っていた『A・I・S』の目に光が灯り
鋼鉄の巨人は静かな駆動音とともに立ち上がる。
その様子を見ていたフジは慌てて指示を飛ばす。
「A・I・Sが出るぞ!早くハッチを開け!」
ハッチが開かれると同時に純白の機体は空へと飛び出した。



どうも皆さんおはこんばんにちは。
ヴィスです。
えーとまず最初に
明けすぎましておめでとうございます。
「今さらかよ!」というツッコミはともかく
しばらく更新できなかった言い訳とすれば
いろいろ忙しく時間がとれなかったのです。
多分これからは更新速度が上がる....はず。
最後に 今年もこのブログをよろしくおねがいしま~す。
では今回はこの辺で
ほんじゃ、またな
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ースペースシップメンテナンスドッグー
 「急に呼び出されたと思えば...まったく....」
サト=ニーは目の前のかなり年期の入った
中型キャンプシップ輸送艦『ダイダロス』をみながらうんざりとする。
「久しぶりにもらった休日だったからリンと旅行に来たのに
旅行先で『搬入作業に作業員の人手が足りんから手伝ってやってくれ』だと?それで来てみれ..!?」
まだ愚痴を言おうとしたサト=ニーは目の前に搬入されてきた巨大な人形の物をみて口を閉じた。
「なんだ....これは?」
彼は片膝を着いて座っているその金属の巨人に急いでかけよる。
全体のシルエットはスマートな作りになっており
頭部はV字に伸びたブレードアンテナとツインカメラが昔見たロボットアニメを彷彿させるデザインだ。
腕部には何かの発生装置が取り付けられているようだ。
「コックピットは背中なのかな...」
「気になるか?」
突然後ろから声をかけられ反射的にふりかえる。
そこには赤いマフラーはを首に巻いたヒューマンの青年が笑顔で立っていた。
「あ、ああ、素晴らしいものだな」
「『A·I·S』と言うんだとさ、最近大型ダーカーとやりあう機会が増えたから
上層部がアークスの切り札として開発したんだとさ。
もっともこれは数ある試作機のうちの一機らしいが」
青年は目の前に膝ま付いている巨人ー『A·I·S』をみながらそう言った。
「ところであんたは誰だい?ここの作業員じゃないよな?」
「俺はサト=ニーだ、妹とここの近くに旅行出来たんだが作業員が少ないからって事で
手伝いに来た。そういうおまえさんは何者だい?」
「俺?俺は『フジ』っていうんだ。第104独立遊撃部隊『グリシーヌ』の隊長で
この『ダイダロス』は俺達の部隊の旗艦でー」
きいてもないことまで話し続けるフジ。
(グリシーヌ?きいたこともない部隊だな...いや5年前に起きたある事件で
唯一救助活動に行けた部隊がたしかそんな名前だったきが...)
「うん?どうかしたか?」
難しそうな顔をしていたサト=ニーにフジが首をかしげながらきく。
「いや、なんでもない。フジだったかこの『ダイダロス』そっちの部隊の
艦ということはわかったがわざわざこんなオンボロ艦じゃなくてもよかったんじゃないか?」
『オンボロ』と言う単語にフジは少し顔をしかめた
「仕方ないだろ、本部がようやく104部隊専用にくれた艦がこれなんだからさ
それにこいつはまだまだ現役だってカリーニン艦長も言ってたしな」
「ならその艦長にいっといてくれ近いうちに改修工事しないと航行不能になるとな」
「ほう、そこまで言うならそれなりの根拠があるのだろうな」
突然の第三者の声、二人は声のしたほうに向くとそこには顔に大きな古傷と蓄えられた髭が目立つ
大柄なヒューマンの男がこちらに歩いてきていた。
「カリーニン艦長!」
フジはあわてて敬礼をする。
「あなたが艦長でしたか」
サト=ニーもフジにならって敬礼をした。
「さて、サト=ニーといったかこの艦がこのままだと航行不能になる理由を
詳しく話してくださらんかな」
カリーニンの眼光はサト=ニーを鋭く射ぬいていた。
「ええ、そのことでしたらー」
その無言の威圧に少し怯えながらサト=ニーは104部隊の『ダイダロス』の欠点を指摘し始めた


ーウィスティリア号 サト=リン食堂ー
 「あのときの艦長にはまじで殺されそうじゃったなー」
とサト=ニーはからからと笑う。
ふとアレックスは疑問が浮かんだ。
「ニーさんその『ダイダロス』はどうなったんですか?」
その質問にサト=ニーはニッコリしながら言う。
「その『ダイダロス』は今の『ウィスティリア』じゃよ。まあ原型なんぞ残っとらんがな」
「お兄ちゃん設計まで手伝ったんだよ」
と付け加えるサト=リン
「えぇぇ!?」
驚くアレックスを無視し、サト=ニーは話の続きを始めたー



 

―ウィスティリア号 サト=ニーの医務室ー
 医務室でニューマンの男性が1人せっせと書類の山を片付けていた。
そのニューマンの男性はこの104部隊の医療班班長を勤める
『サト=ニー』だ。
「ふう、ようやく終わったぞ...」
サト=ニーは伸びをしながら医務室の天井を見上げる。
グゥゥ~
人気のいない医務室に響く腹の虫の声。
そこでようやくサト=ニーは今朝から何も食べていないことを思い出した。
時間は深夜の1時半をまわっていた。
艦内のほとんどの隊員はもう寝ている。
「とりあえず何か食べるか」
そう呟くとサト=ニーは食べるモノを探しに食堂に向かった。



ーウィスティリア号 サト=リン食堂ー
「あ、お兄ちゃんこんな遅くにどうしたのー?」
食堂の調理場の扉を開くと、明るい少女の声が出迎えた。
1つに束ねた、ポニーテールの茶髪。ニューマンの特徴の1つの長く尖った耳。
サト=ニーと同じ104部隊の制服のうえに、エプロン着けている。
『サト=リン』、サト=ニーの双子の妹だ。
「飯でも食おうと思ってな」
「ふ~ん、お・に・い・ちゃ・ん。ご飯にする?お風呂にする?」
愛らしい顔に浮かぶ、イタズラっぽい笑顔。
調理場に甘酸っぱい匂いが立ちこめる。
「それともあ・た・し?」
「近ごろ見ないなその手のコント。ってさっきもいったが飯を食いに来たんだ!」
あっさりスルーしたサト=ニーは、棚のリンゴに手を伸ばした。
その手を、サト=リンはぴしゃりとはたく。
「いてぇな、何をするんだ?」
「お兄ちゃん、食べ物さわる前に手洗ってないでしょ。まず手洗い!」
ややタレ気味の大きな両目をキッと吊り上げ、サト=ニーをしかりつけるサト=リン。
「むう、何だというのだいきなり」
サト=リンからじろりとにらまれ、サト=ニーは流しに向かう。
ウィスティリア号艦内全員分の食事、
サト=ニーの仕事の手伝いを一手に引き受けている妹には、
どうも頭が上がらないのだ。
いそいそと手を洗うサト=ニー。
その隣でサト=リンは、手早くアクルプスの幼体を三枚におろしていた。
「またアクルプスか。今月に入って四度目だぞ」
「塩焼きにお刺身にお煮付けだったでしょ?今日はフライだから」
「それでもアクルプスはアクルプスだろー」
「じゃあ、お兄ちゃんには特別、ディッグの頭でも焼いてあげる」
「昨晩の残飯だと!?」
叫ぶサト=ニーを、またしてもじろりとにらんだ。
「何か文句ある?」
「楽しみだな、アクルプスフライ!」
触らぬ神...もとい妹に祟りなし。
サトニーは今度こそリンゴを手に取ると、
シャリシャリとかじりながら調理場から脱出する。
「あ、よかった~まだ開いてた!」
そう言いながら食堂に飛び込んで来たのは
小柄のヒューマンの少女『アレックス』だった。



 「リンさんの味噌カレーやっぱり美味しいです」
「アレックスちゃんありがとー。まだまだおかわりはあるからね」
皿山盛りにつがれたサト=リン特製の味噌カレーを見て
サト=ニーは顔を青くした。
サト=ニーは一度このカレーを食べ生死をさまよった事があるのだ。
他のメンバーも症状の差はあれどひどい目にあっている。
味噌カレーという言葉自体がこの部隊では恐怖の代名詞になっている。
その恐怖の代名詞であるものを好んで食べるのはここにいるアレックスぐらいである。
サト=ニーも自分の前に置かれているアクルプスフライにソースをドボドボとかけた。
フライと千切りのキャベツを、まとめて口に放り込むサト=ニー。
カラッと揚がった衣の歯触りは中々のものだった。
「うん、旨いな」
「そ、そう?お代わりはたくさんあるから、どんどん食べてね」
サト=リンは嬉しそうにそう言う。
「せっかくですからニーさんやリンさんがこの部隊に入ったときのこと
話してくださいよ」
いつの間にか大盛りの味噌カレーをたいらげたアレックスがそう言ってきた。
「そうじゃの~あれはお前やスレイが入ってくる5年くらい前のことだったかな」
「その時お兄ちゃんと私はまだ104部隊に入ってなかったね」
「そうだったな。当時のフジはまだヒューマンだったなー」
そんなことを言いながらサト=ニーは昔話を始めたー




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